青森の避暑地巡り~下北エリア~
- 日数
- 2泊3日
- 主な交通手段
- フェリー・車
- シーズン
- 夏
下北地方の夏の絶景スポットや郷土料理を巡るコースを紹介します。
むつ湾でのイルカウォッチングや仏ヶ浦、尻屋崎など、夏だからこそ見ることができる絶景が広がっています。
大間のマグロや佐井村のうに丼、下北みそ貝焼きなどの下北を代表する海鮮料理も味わえます。
下北地方を余すことなくぐるりと一周できる贅沢なコースです。
むつ湾フェリー(蟹田港)→(脇野沢港)
雄大な海と共にイルカウォッチングも楽しもう
むつ湾フェリーは、津軽半島と下北半島、青森県の2大半島を1時間で結ぶ むつ湾横断航路です。カーフェリー「かもしか」に乗って清々しい海の旅を楽しめます。 見どころいっぱいの2大半島をわずか1時間で繋ぐので、青森県をぐるりとまわる旅にも最適です。陸路で行くと約3時間かかる道のりを短時間で行けるのでとても便利。車やバイク、自転車も乗車できるので、乗り物での移動の旅にもぴったりです。
むつ湾フェリーの定期航路は、1日2往復。津軽半島の蟹田港と下北半島の脇野沢港を往復。 旅客定員は240名で、障害者用トイレや電動リフトなどバリアフリー設備も整っており充実の設備です。
そして、むつ湾フェリーのもうひとつの人気のポイントは、イルカウォッチング!
4月下旬から6月下旬にかけて、むつ湾を遊泳するイルカの群れに出会えることが多くなります。
野生のイルカがフェリーと並走したり、水中から海面へ華麗にジャンプしたりする姿はとても爽快。毎年多くの観光客がイルカに会いにフェリーを訪れます。多い時には100頭以上現れることも!かわいらしいイルカと一緒の船の旅は、さらに思い出深い旅になりそうです。
ぬいどう食堂(昼食)
全国から新鮮な海の幸を求めて訪れる隠れた名店
仏ヶ浦に近い、佐井村福浦地区にある「ぬいむら食堂」。こじんまりとした食堂ながら、連日行列ができるほど大人気!
多くの人のお目当ては「生うに丼」。津軽海峡の新鮮なうにがどっさり乗っていてボリューミー!価格の安さも魅力です。また、日替わりメニューの「歌舞伎丼」は、イクラ・うに・いか・アワビ・サーモン・まぐろなどが豪華に並び、獲れたて新鮮な魚介のおいしさをまんべんなく味わえます。
仏ヶ浦
巨大な奇岩群が立ち並ぶ大自然のアート
海岸沿いに2kmにわたって連なる白緑色の奇岩の数々。冬の荒波が削り上げた大自然のアートも、海が穏やかな夏に眺めれば「仏ヶ浦」の名にふさわしい極楽浄土のような浜。透明度の高いエメラルドグリーンの海と、象牙色にたたずむ奇岩の群れのコントラストが美しく、まるで極楽への入り口のよう。それもそのはずで、死者があの世に旅立つ時、あるいはこの世に戻ってくる時に、立ち寄る場所が「仏ヶ浦」だと言われています。それぞれの奇岩には、浄土のイメージを重ねて名がつけられています。
仏ヶ浦へは車でも行けますが、駐車場から険しい遊歩道を往復で40分ほど歩くため、足に自信のない方は船がおすすめ。4月~10月には佐井港や青森港からいくつかの観光船・遊覧船が就航しています。巨岩・断崖など、海上からしか見られない絶景スポットが多数。ガイド付きで上陸するコースもあります。5月~7月頃にかけては、運が良ければイルカに出会えるかもしれません。
大間崎
本州最北端、そしてマグロ一本釣りの地
旅人なら一度は行ってみたい本州最北端の地。「ここ本州最北端の地」と刻まれた碑が建っているので、最果ての地に来た気分を味わえます。津軽海峡をはさんで、北海道の汐首崎まではわずか17.5kmの距離。天気のよい日は函館の五稜郭タワーが見えることもあります。
大間の漁師に一本釣りされた440kgのマグロをモデルにしたモニュメントは記念撮影にぴったりなスポットです。モニュメントの横には観光案内所「大間崎レストハウス」があり、「本州最北端大間崎到着証明書」を200円で発行してくれるので、旅の記念にどうぞ。
ここ大間町で水揚げされたマグロは「大間まぐろ」というブランドネームで全国に知れ渡っている最高級品。津軽海峡で豊富な餌をたっぷり食べて大間沖にやってくる秋から冬にかけての季節が旬。天然モノならではの上品な脂がのっています。一本釣りされた新鮮な一級品を本場でたっぷりと贅沢に味わってみてはいかがでしょうか。
函館へのフェリーが出ている大間ターミナルへはタクシーで10分ほど。出航前後の待ち時間に立ち寄る人も少なくありません。
下風呂温泉郷
室町時代より続く白濁の硫黄泉の名湯
下風呂温泉郷は、本州最北端下北半島の風間浦村にあります。目の前には津軽海峡が広がり、海の向こう側には北海道を望むことができます。夕方は海に沈む美しい夕日を、夜には漁船の漁火を眺めながら湯に浸かることができます。また、津軽海峡で水揚げされた新鮮な海の幸を味わえるとあり、食通の観光客に人気があります。
そして、文豪・井上靖が小説『海峡』の中で、「ああ、湯が滲みて来る。」と表したほど、効き目を体感できる温泉です。100m以内に3つの異なる源泉の湯口があるのは、全国的にも珍しく、すべてが源泉掛け流し。「下風呂温泉 海峡の湯」では「大湯」「新湯」2つの系統の温泉を楽しめます。
戦前に建設が進められたものの、1943年(昭和18年)に工事中止となったまま残された「幻の大間鉄道」は、現在「鉄道アーチ橋メモリアルロード(遊歩道)」になっており、足湯(冬期間は閉鎖)が設置されています。遊歩道からは、津軽海峡を隔てて北海道恵山岬や、夏から秋にかけての夜には幻想的な漁り火を眺めることができます。
薬研渓流
マイナスイオンたっぷりの美しい大自然に癒される
薬研渓流は、美しい大自然に囲まれた青森県屈指の癒しのスポットです。
澄んだ空気と川のせせらぎ 、見渡す限りの絶景は素晴らしく訪れた人に感動を与えます。
薬研渓流は東北自然道の一部で手つかずの自然が広がり、遊歩道が整備されています。遊歩道は1周すると約6キロ、2時間ほどで、川のせせらぎを聞きながら森林の中を歩くことができます。遊歩道の対岸にある散策道は「あすなろの道」とも呼ばれ、トロッコ線路の一部が残っています。ヒバの実験林を抜けると、樹齢数百年の大木が連なる天然林に入ります。人の手が加えられていない森の絨毯を楽しみましょう。
薬研渓流では森林浴の他にも、渓流釣りや山菜取り、そして薬研渓流の温泉も楽しむことができます。薬研温泉郷は、津軽海峡に注ぐ大畑川の上流約10kmの渓谷沿いにある静かな温泉の薬研温泉と、さらに約2km上流の奥薬研温泉の2つの温泉からなっています。薬研の名は、温泉の湧き出る口の形が漢方薬をすりつぶす器具、『薬研』に似ていることに由来すると言われています。
ヒバ、ブナ、カエデなどの広葉樹林に彩られた絶景の中で、澄んだ空気をたっぷり感じながらの入浴はここでしか味わえません。
四季折々、素晴らしい景色を堪能できる薬研渓谷。夏は清々しく爽やかな緑に覆われ、秋にはあたり一面に広がる紅葉に魅せられます。
時折カモシカも顔を覗かせるほどの、雄大な自然の中で、日々の忙しさを忘れリフレッシュしてみませんか。
恐山霊場/恐山菩提寺
地獄の風景と極楽の風景が広がる、あの世に最も近い場所
比叡山・高野山とともに日本三大霊山といわれる恐山。地元では古くから「人は死ねば恐山に行く」と言い伝えられてきました。外輪山に囲まれた霊場は、外部からは見ることのできない途絶された場所。三途の川にかけられた太鼓橋を渡って霊域に入ると、死後の世界のような風景が広がります。極楽浄土を思わせる美しさの極楽浜、硫黄臭が立ち込める地獄谷、荒涼とした無間地獄、血の池地獄…。賽の河原には亡くなった幼い子供を弔うために両親が積んだ石や、くるくるとまわる風車があり、もの悲しさが漂います。
恐山菩提寺の創建は862年。慈覚大師円仁が夢のお告げに導かれ、諸国に教えを説いた旅の果てに、この下北の地に「恐山菩提寺」を開山したと伝えられています。
例年7月20日から24日に行われる「恐山大祭」と、10月上旬の連休に行われる「恐山秋詣り」には、イタコと呼ばれる巫女が死者の御霊を呼んでくれるとあって、多くの人達が列をなし、あの世からのメッセージを聞きに集まります。
また、恐山は1万年以上前に噴火したと言われる休火山。現在でも硫黄のにおいが漂う温泉が湧いています。霊場内には4つの湯小屋があり、参拝者は無料で入浴できますが、混浴や男女入替等もあるのでご注意を。宿坊「吉祥閣」に宿泊もできるので、宿坊体験に興味のある方はぜひどうぞ。
釜臥山展望台
夕日も夜景も紅葉も ひときわ美しい絶景「光のアゲハチョウ」
日本夜景100選にも選ばれている「釜臥山展望台」。釜臥山展望台からの夜景はとてもロマンティック。まるで華麗なアゲハチョウが羽を広げて飛び立つような姿に見えることから、「光のアゲハチョウ」と称されており、その美しさから東北地方随一の夜景と言われています。
釜臥山展望台があるのは、下北半島の最高峰「釜臥山」の標高785メートルの地点。360度の大パノラマからは宇曽利山湖の翠の湖面、南に陸奥湾をはさんで八甲田の山々、振り返って尻屋埼灯台、晴れた日には、はるか先の北海道まで見渡すことができます。
展望台から15分ほど遊歩道を登れば、山頂(標高878m)からの景色も堪能できます。
下北半島の紅葉のシーズンは10月中旬から10月下旬頃。10月も半ばに差し掛かると見渡す限りの美しい紅葉に包まれます。秋色に染まった半島全体を展望台から見下ろせば、筆舌につくしがたい絶景が広がります。
尻屋埼灯台
本州最北端 津軽海峡を望む白亜の灯台。
レンガで造られた灯台としては日本一の高さを誇る「尻屋埼灯台」。 本州最北端尻屋崎の突端に立つ高さ約33mもの灯台です。
尻屋埼灯台は、明治9年(1876年)に東北地方に初の洋式灯台として完成しました。津軽海峡と太平洋が交わる尻屋崎沖は、海上交通の要衝として、また豊かな漁場として、昔から非常に重要な地点でした。それと共にこの地特有の濃霧が多く発生しすることや海面下に岩礁が広がることから、難破岬と呼ばれ遭難船の多い所として恐れられている場所でもありました。明治時代に入り、日本も世界各国と貿易を行うようになったため、航行船舶の安全を守るために、尻屋崎で焼いたレンガで建てられた灯台です。
このように、歴史的、文化的価値の非常に高い尻屋埼灯台は、国の登録有形文化財をはじめ、「近代化産業遺産」「土木学会選奨土木遺産」「日本の灯台50選」「恋する灯台」にも選ばれています。
尻屋埼灯台のもう一つの魅力として、灯台の内部に入ることができることがあげられます。全国的に見て、登ることのできる灯台は数えるほど。そんな貴重な灯台に登れば、目の前に青く澄んだ海の絶景がどこまでも広がります。津軽海峡に沈む夕日の美しさにも定評があります。
ぜひ灯台からのオーシャンビューを満喫すると共に、灯台や尻屋埼の歴史についても学んでみてください。
野牛川レストハウス
下北みそ貝焼き(むつ市)
熱々の青森のソウルフード
むつ市には、「下北みそ貝焼き」が味わえるお店が数多くあります。
「みそ貝焼き」は、大きなホタテの貝殻を鍋として使い、だし汁に、ホタテ、卵、長ネギなどを入れ味噌で味付けした、青森を代表する郷土料理です。
下北ワイン(サンマモルワイナリー)
青森産ぶどうの味わい深いワイン
本州最北にあるワイナリー。下北半島の海沿いにある自然豊かな農場で育ったぶどうは味わい深くワイン向き。ワインの名産地フランスのブルゴーニュ地方と気候が類似していて、ワインの原料となるぶどうの栽培に適していると言われています。
地元で育ったぶどうで醸造されたワインは安心・安全。様々な受賞歴もあり、美味しさは抜群!多くのワイン好きに愛されています。約50種ある中から自分好みのワインを見つけるのも醍醐味です。日々の気温や湿度に合わせて焼きあげるブレッドもあわせてお楽しみいただけます。
川内川渓谷遊歩道
ゆっくりと歩こう 澄んだ空気と自然溢れる遊歩道
移り変わる季節と大自然が遊歩道と溶け合い、呼吸をするたびにマイナスイオンを感じられる川内川渓谷。
川内川渓谷の一帯には4.4Kmにわたって遊歩道が整備されており、大自然の中をゆっくり歩けば、ひときわ美しい川内川渓谷を感じることができます。
遊歩道には、「あじさい橋(吊橋)」、「セキレイ橋(ローゼ橋)」、「あすなろ橋(斜張橋)」の3つの橋がかかり、異なった風合いも見どころです。
ゆっくり歩いて約1時間30分。散策の途中に出会うスポットもそれぞれが魅力的です。竜神がすむと言われ、山伏が修行の場としてきた「大滝」は、川内川渓谷遊歩道の中ほどにあり、新緑や紅葉が川面に映え大変美しい場所です。
また、川底に甌穴(おうけつ)、別名「ポットホール」と呼ばれる穴を見ることができます。この穴は、くぼみに落ちた小石が回転し岩石面を削ったもので、川内の甌穴群は数万年をかけてできたとされ貴重なものです。他にも、下戸ヶ渕公園や八ツ橋、大滝休憩所など、澄んだ空気を目一杯感じながら大自然の中森林浴を心ゆくまで楽しむことができます。
四季折々すべての季節が美しい川内川渓谷遊歩道。春は穏やかな空気と共に、夏は爽やかな緑を、秋は息をのむほど美しい紅葉を楽しみに、ゆったりと散策をしてみませんか。
道の駅わきのさわ「リフレッシュセンター鱈の里」(昼食)
野猿公苑
「北限のサル」たちに会いに行こう!
むつ市脇野沢にある「野猿公苑」。ここでは、50匹ほどのニホンザルが飼育されており、その可愛らしい姿や行動は訪れる人を楽しませてくれます。
下北半島の西の玄関ロ、脇野沢は、自然豊かな環境の中サルやカモシカなど野生動物の生息地として知られており、脇野沢に住むニホンザルは、世界で最も北に生息する野生のサルとして国の天然記念物にも指定されています。
「野猿公苑」は、道の駅 わきのさわの敷地内にあり、周辺には、テニスコートや散策路、子供が喜ぶ遊具など、さまざまな施設が用意されています。なかでもバンガローは、家族用~15人用の広いものまで揃っておりバリエーション豊か。炊事棟、トイレも完備されているので、快適に過ごすことができます。
ひとつひとつのしぐさも可愛い、愛嬌たっぷりのお猿さんに癒されながら、のんびりとキャンプを楽んでみてはいかがでしょうか。