青森縄文を巡る~弘前エリア~
- 日数
- 1泊2日
- 主な交通手段
- 車
- シーズン
- 通年
弘前市を中心に縄文遺跡群を巡るコースを紹介します。
2021年7月に世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、17遺跡で構成されており、そのうち8遺跡が青森県にあります。
採集・漁労・狩猟により1万年以上にわたり営まれた農耕以前の人々の暮らしや精神文化を、今に伝える貴重な文化遺産です。
弘前市立博物館
高岡の森 弘前藩歴史館
弘前市の成り立ちに大きく関わる弘前藩津軽氏の旧蔵品を中心とした資料を展示する「高岡の森弘前藩歴史館」。 藩祖為信が太閤秀吉から拝領したと伝わる太刀銘「友成作(ともなりさく)」をはじめ、「中興(ちゅうこう)の英主(えいしゅ)と称えられる4代藩主信政の遺品、明治時代に津軽家や旧藩士たちが高照神社に納めた武具刀剣類、拝殿に掲げられた大絵馬など、多くの宝物が収蔵されています。
なお、展示内容については、年に数回テーマに沿った展示替えを行い、できるだけ多くの収蔵品をご覧いただけるよう企画しています。
弘前藩の歴史や文化を学びつつ、現代に残された貴重な宝物を厳かな空間で見ることができますので、ぜひおいでください。
高岡の森古民家カフェ 山の子で昼食
ほっこりした時間が流れる古民家カフェ
高照神社の門前にたたずむ古民家カフェ「山の子」。
古民家を改装した店内はどこか懐かしい雰囲気。18席あるテーブル席のほか、囲炉裏風のお座敷席もご用意。
すべての料理に発酵食品を使用した「山の子けの汁御膳」や大豆ミートを使った野菜たっぷりの「ビジキーマカレー」など、健康にこだわったメニューが人気。体に優しい美味しさです。
大森勝山遺跡
岩木山とストーンサークル、縄文人と同じ景色を眺められる
大森勝山遺跡は、今から約3,000年前の縄文時代晩期の環状列石(ストーンサークル)が発見された遺跡。
青森県弘前市に位置する遺跡で、岩木山を背景に森に囲まれたロケーション。ストーンサークルの先に岩木山の美しい山容を望み、視界には建物などの人工物が入らないため、縄文人もこの風景を見ていたのだろうかと思わせられるような景観です。
約3,000年前の縄文時代晩期に作られた環状列石は全国的にも珍しく、そのなかでも発掘調査により全容が判明しているのはこの大森勝山遺跡が初めての事例です。77基の組石で構成され、長径(南西-北東方向)48.5m、短径39.1mの楕円形となっています。組石の置き方などもとても珍しく、貴重なものとされています。
※現在、遺構は埋め戻されています。
冬至の日には遺跡から岩木山山頂へ沈む夕日を見られます。冬至に太陽が岩木山山頂へと沈む地点にストーンサークルを、ストーンサークルと岩木山を結ぶ直線上に大型竪穴建物を配置した天文学的知識にも驚かされます。岩版・石剣・円盤状石製品などが出土しており、環状列石と関連する何らかの祭祀・儀礼用と考えられます。山岳地帯に暮らした縄文時代の人々の高い精神性を示す貴重な遺跡です。
遺跡見学は弘前市立裾野地区体育文化交流センターへ。出土品や遺跡の紹介パネルが展示されています。
立佞武多の館
高さ23メートルの立佞武多がお出迎え!
「五所川原立佞武多(ごしょがわらたちねぷた)」(祭り)は、「青森ねぶた」と「弘前ねぷた」に並ぶ青森三大佞武多の一つ。高さ約23m、重さ約19トンもある山車の壮大な運行が魅力です。
「立佞武多の館」は迫力ある立佞武多を見られる施設です。建物の4階にまで達する高さの立佞武多に圧倒されること間違いなし!展示室は1階から4階まで吹き抜け空間になっており、中央にそびえ立つ立佞武多を20mほどの高さから壁伝いにぐるりと、角度を少しずつ変えて見学することができます。
祭りの映像を楽しめ、見ごたえ充分のスポットです。
つがる市縄文住居展示資料館(カルコ)
亀ヶ岡遺跡をはじめ、市内や県内各遺跡からの出土品が展示されています。その他、復元竪穴住居では、縄文時代の生活を再現し、縄文人にそっくりな人形が来館者に古代の言葉で語りかけます。1887年(明治20年)に亀ヶ岡遺跡から出土した「遮光器土偶」は、眼部が北方民族の使用する雪眼鏡(遮光器)に似ていると考えられることから、この名が付けられました。1957年(昭和32年)に国の重要文化財に指定され、現在は東京国立博物館に展示されています。当館には本物からかたどった精巧なレプリカが展示されています。
木造亀ヶ岡考古資料室(縄文館内)
亀ヶ岡石器時代遺跡
世界的にも注目される「遮光器土偶」のふるさと
独特の大きな目とふくよかな体型が印象的な「遮光器土偶(しゃこうきどぐう)」が発掘されたことで有名な亀ヶ岡石器時代遺跡は、青森県つがる市にある、縄文時代晩期の集落遺跡です。
遮光器土偶以外にも、籃胎漆器(らんたいしっき)、漆塗土器など、形やデザインが個性的で美しく、精巧で卓越した芸術性が見られる出土品がたくさんあります。江戸時代には優れた芸術品として扱われ「亀ヶ岡物」として珍重されたという話もあります。
縄文時代晩期を象徴するこれらの土器や土偶は、「亀ヶ岡文化」(北日本に広がる縄文時代の遺物を中心とした文化)という名も生んだ大変貴重なもの。近年の発掘調査では、芸術的な物づくりが盛んだった「亀ヶ岡文化」を育んだ人々の暮らし、縄文時代晩期のムラの構造も明らかになってきました。
遺跡から北西約10㎞にあるJR五能線の木造駅(きづくりえき)には、遮光器土偶を模った巨大なモニュメントがあり、町のシンボルとしても愛されています。
田小屋野貝塚
縄文時代の貝輪づくりの村
田小屋野貝塚は、日本海側の内陸、岩木川沿岸の標高10~15mの丘陵上に立地します。通常、青森県、秋田県、岩手県のある北東北では、貝塚は太平洋側の海の近くの遺跡でよく見つかることが多く、今より海が陸に入りこんでいた縄文海進期に作られたと考えられています。
集落には、竪穴建物、墓、貝塚、捨て場、貯蔵穴などがあり、この時期の典型的な集落構造を示しています。貝塚からは、特にヤマトシジミなどの貝類が多く見つかるとともに、コイ、サバなどの魚骨や、カモなどの鳥骨も出土しています。捨て場からは、土器や石器のほか、クジラやイルカなど、大型ほ乳類の骨で作った骨角器も発見されました。
また、ベンゲイガイを使った貝輪(貝に穴を開け作られたブレスレット)の未製品が多数出土したことから、集落内で貝輪製作が行われていたことが明らかになりました。ベンケイガイの貝輪は、同時期に北海道の遺跡からも出土しており、さらに田小屋野貝塚からは北海道産黒曜石が出土していることから、縄文時代の生産活動や海峡を越えた交易を知ることができます。
高山稲荷神社
異世界のよう…朱色の鳥居が続く「千本鳥居」は必見!
千本鳥居がある稲荷神社というと京都の「伏見稲荷大社」が有名ですが、実は青森にも「高山稲荷神社」があります。朱色の鳥居が数え切れないほど並び、異世界のような不思議な空間を創出しています。
高さ約2mの鳥居が延々と並んでいる光景は圧巻!春は桜、夏は新緑、冬は真っ白な雪と、四季に映える朱色の鳥居が魅力で、写真映えすると人気を集めています。鳥居の奥にある高台からは全体を一望できます。無数に並ぶお稲荷様(狐の石像)も印象的です。
鎌倉から室町にかけての創建と伝えられ、ご祭神は宇迦之御魂命(うかのみたまのみこと)、佐田彦命(さたひこのみこと)、大宮能売命(おおみやめのみこと)。五穀豊穣、海上安全、商売繁盛の神様としてご利益のある神社と言われています。