青森縄文を巡る~青森エリア~
- 日数
- 1泊2日
- 主な交通手段
- 車
- シーズン
- 通年
青森市を中心に縄文遺跡群を巡るコースを紹介します。
2021年7月に世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、17遺跡で構成されており、そのうち8遺跡が青森県にあります。
採集・漁労・狩猟により1万年以上にわたり営まれた農耕以前の人々の暮らしや精神文化を、今に伝える貴重な文化遺産です。
縄文の学び舎・小牧野館
小牧野遺跡
石はどこから運ばれたのか?縄文時代のストーンサークル
小牧野遺跡は、縄文時代後期前半に作られた日本最大級の環状列石(ストーンサークル)が特徴的で、青森市野沢字小牧野の荒川と入内川に挟まれた舌状台地に位置する遺跡です。
小牧野遺跡の環状列石は、直径55mにもおよびます。環状列石を形作っている石は、現在約2,900個を数え、総重量は推定で31,054kg。これらの石は遺跡から東に500m~1km程離れた「荒川」一帯から運ばれたものと考えられており、相当な労働力だったであろうことは想像にかたくありません。
石の並べ方に他の遺跡の環状列石とは異なった特徴があり、石を横に並べていくだけではなく、楕円形の石を縦に置き、その両側に平らな石を数段組み合わせ石垣を築くように立体的に並べられています。全国的にも珍しいこの方法は、「小牧野式」配列(配石)と呼ばれています。
竪穴式住居などの生活の跡のほか、様々な出土品も多く見つかっており、特に三角形岩版は小牧野遺跡の代表的な遺物で、これまでに400点をこえる数が確認されています。このような岩版は、祭祀などで人が多く集まる場所で使用されたものと思われます。
三内丸山遺跡(「れすとらん五千年の星」で昼食)
日本最大級!5500年前に存在した縄文集落跡
日本最大級の縄文集落跡で国の特別史跡に指定されている「三内丸山遺跡」。
1992年からの発掘調査で、当時の竪穴住居跡や大人や子どものお墓、貯蔵穴など生活の跡が次々に発見され、重要文化財に指定された出土遺物は2,000点近くあります。展示や体験を通して縄文人の生活を学べる「縄文時遊館」や、復元された15棟の竪穴住居、大型竪穴住居、3棟の高床建物、大型掘立柱建物が見どころです。まが玉作りやミニ土偶作りといった体験メニューも豊富。
青森県立美術館
アート好き必見。青森の芸術風土の発信地
広大で見晴らしの良い土地に、真っ白な外壁の凸凹な建築がそびえ立ちます。現代的で繊細なデザインの青森県立美術館は、隣にある縄文時代の集落跡「三内丸山遺跡」の発掘現場から着想を得て設計されました。発掘現場の壕のように、地面が幾何学的に切り込まれ、縄文とモダンが融合したユニークな空間です。入口には青く光る木をたくさん並べたシンボルマークで“青森”を表現。細部にまで意匠が凝らされており、建築美だけでも見ごたえ。
青森県出身にして世界的に有名な画家、彫刻家・奈良美智氏の作品、高さ8.5mの巨大な「あおもり犬」が有名です。見上げると八角形の空が広がる「八角堂」という空間に、穏やかな表情のまっしろな犬が佇んでいます。
また、巨匠・シャガールの描いたバレエ「アレコ」の舞台背景画も見どころのひとつ。四層吹き抜けの大空間に全4作品から成るバレエ「アレコ」の舞台背景画中、第1幕、第2幕、第4幕が収集されています。約9m×15mの巨大絵画は、サイズだけでも見るものを圧倒します。
三内縄文ベリーランド(7月~9月)
自然本来のかたちでブラックベリーを栽培
青森魚菜センター(古川市場)
美味しさてんこ盛りの「のっけ丼」
大山ふるさと資料館
大平山元遺跡
土器のかけらが教えてくれる縄文時代の始まり
大平山元遺跡は、青森県東津軽郡外ヶ浜町にある、旧石器時代終末期から縄文時代草創期の遺跡です。
陸奥湾に注ぐ蟹田川左岸の河岸段丘上にあり、旧石器時代の終わり頃の特徴を持つ石器群とともに、土器片と石鏃(せきぞく)が出土しました。旧石器時代には土器はまだ作られていないと考えられていますが、この遺跡からは旧石器時代と同じような石器とともに土器のかけらも出土し、旧石器時代から縄文時代へ移り変わる頃の貴重な遺跡だと考えられています。
出土した土器片は、縄による施文や貼り付けなどの装飾がないことから無文土器片と呼ばれるもので、年代測定をすると約1万5千年前のものと分かりました。